大人からバレエを始めてみたけれど、周りがバレエ独特のルールで行動していて戸惑うことがあるかもしれません。
確かに、先生やクラスメートに迷惑をかけて陰口を言われないか心配だし、通いにくくなって教室を移ることになり、新たな費用が発生するのは避けたいですよね。
基本的に、先生の指示に従ってレッスンの進行を妨げたりケガがないように行動すれば、大きな問題はありません。
ただし、教えてもらわないと気づきにくい、バレエ独特の暗黙のルールが存在するのも事実です。
この記事では基本的なルールをまとめてあるので、最後まで読んで安心してレッスンに参加できるようにしましょう。
大人バレエで知っておきたい暗黙のルール
遅れて入室する場合は音楽が止まってから
レッスンには遅れないように入室するのが大前提ですが、大人だと家庭や仕事の都合でレッスン開始時間に遅れてしまうことがありますよね。
急いでレッスンに合流したくなりますが、クラスメイトが動いている最中に移動するのは大変危険ですよ。
たとえば、バーレッスンで脚を上げる動作をしているときに近くを通ったら、脚が当たってしまい双方にケガの危険があります。
また、遅れて来た人を入れるスペースを作らなくてはならないので、動きを中断させることになってしまいます。
バーに寄りかからない
レッスン中にバーに寄りかかっている人を見かけますが、寄りかかるとバーに負担がかかってしまいます。
可動式バーだと倒れる危険もありますよ。
壁に備え付きのバーでも、寄りかかると壁から外れてしまったり、バーが変形してしまう可能性があります。
また、先生の話を聞くときにバーに寄りかかるのは、教えてもらう態度としてふさわしくありません。
音楽が流れている間は声を出して返事をしない
音楽がかかり動いている最中に、先生が注意をしてくれることがありますね。
本来であれば声に出して返事をするのがマナーですが、バレエでは当てはまりません。
音楽が流れている最中に「はい!」「分かりました。」のように声がすると、音に集中して踊っている周囲の人の妨げになってしまうのです。
また、声を出すと呼吸やバランスが乱れて、スムーズに動けない要因になります。
例えばこのような状況は避けたいですよね。
- 声が聞こえた方が気になって、動いている最中に思わず見てしまいポーズが崩れる
- 先生の注意に声を出して返事をしたとき、せっかく引き上げていた背中やお腹が緩んでしまう
掛け持ちは教室のルールに則る
バレエの世界では、子どもの教室の掛け持ちはタブーとされていますが、大人はその限りではありません。
大人はダンススタジオやスポーツクラブのオープンクラスが多いことから、都合に合わせて色々なクラスを受けることが一般化されています。
しかし、先生やメソッドによって指導スタイルは様々なので、同じことを違う形で習ったら混乱してしまいますよね。
上達の妨げになってしまうことから、掛け持ちが禁止されていない教室でも基本的には掛け持ちは推奨されてはいません。
例えば、動く前の準備のポーズ、プレパラシオンだけでもこのような違いがあります。
| 動きが始まる前の首の角度 | まっすぐ正面を見る | 肩越しに横を見る |
| 回転(ピルエット)の準備の手の角度 | 胸の前で腕を丸め 手を内側に向ける | 腕は前方に伸ばし 手のひらは下に向ける |
掛け持ちをする場合、以下のことに気をつけましょう。
- スタジオ内で他の教室の話をしない。
- 先生に「〇〇先生の指導は違いました」など、他の先生のことを話さない。
- そのクラスで習っていない動きはしない。
- クラスメイトを他の教室へ勧誘しない。

掛け持ちNGの教室で隠れて他の教室に通うのはルール違反です。
教えている立場からすると、他の先生に習っていることは動きを見れば分かるものですよ。
大人バレエのレッスン全般のマナー
先生が来たら立って挨拶する

バレエではお辞儀のことをレヴェランスといいます。
バレエのレッスンはレヴェランスで始まりレヴェランスで終わりますが、それとは別に、レッスン前後にもしっかり挨拶をしましょう。
レッスン開始前は座ってストレッチをしている人が多いですが、先生が入室したときに座ったまま挨拶するのは失礼にあたります。
| 先生より後に入室する場合 | 先生が後から入室する場合 |
|---|---|
| スタジオに入るときに「おはようございます。」と挨拶する。 | ストレッチを一旦やめ、立って先生の方を向き「おはようございます。」と挨拶する。 |

バレエでは時間帯に関わらず「おはようございます。」と挨拶します。
立って挨拶をすることで、指導してくれる先生への敬意を表すことができますよ。
私語はつつしむ
大人クラスでは楽しくおしゃべりをしている人を見かけますが、レッスン中の私語は先生や周りの生徒の迷惑になってしまいます。
また、振りや順番が分からず周りの人に聞いてしまうと、聞かれた人が先生の説明を聞き逃したり、振りを確認する時間を邪魔してしまうこともありますよ。
- 先生が説明しているときは、集中して耳をかたむける。
- 振りや順番が分からないときは、生徒ではなく先生に聞く。
- 先生がフレンドリーに話しかけてくれた場合は話してもOK。ただし自分の話は長くならないようにする。
基本的にレッスン中の私語は厳禁と心得て、スムーズなレッスン進行に協力しましょう。
レッスン中に座りこまない
レッスン中に疲れてしまったのか、先生の説明中に床に座りこんでしまう人を見かけることがあります。
周りには動いて振りを確認する人もいるので、座りこんでしまうと邪魔になったり、踏まれてしまう可能性もありますよ。
説明は先生の方を向き、立って聞くようにしましょう。
ただし、例外もあります。
| 座って聞いてOKな場合 | 座って聞くのはNGな場合 |
|---|---|
| 座って行うストレッチやエクササイズ | 立って行うレッスン |
また、疲れてどうしても座りたくなった場合や、体調が悪くなってしまった場合は、無理をせず先生に座って見学してよいかを申し出ましょう。
それ以外の場面では、レッスン中に座りこまないようにしましょうね。
指導されたらその場で動いてみる
指導を受けたときは、指導されたことをその場ですぐ実践してみることが大切です。
そうすることで、間違いが改善され正しく動けているかを先生が確認することができます。
さらに、先生から追加のアドバイスがもらえるチャンスだったりするのですよ。
反対に、聞いているだけで動いて見せないと、先生にはきちんと理解できたかどうかが伝わりません。
注意されたのが自分一人の場合、みんなの前で動くのは恥ずかしく感じるかもしれませんが、思い切って体でこたえてみましょう。
腕組み・腰に手を置くのはNG
腕が疲れてくると、腕を組んだり腰に手を当てたくなりますが、指導を受ける態度としてはふさわしくありません。
どこか偉そうな印象を与えてしまいすよね。
説明を聞く時の腕の位置
- 腕をおろし、体の前で手を組む
- 腕を体の横につける
- 体の後ろで手を組む
説明を聞いている時や待機時間も、美しい姿勢を意識することが上達への近道となりますよ。
レッスン中は腕組みをや腰に手を置く姿勢は避け、美しい姿勢で過ごしましょう。
大人バレエのバーレッスン中のマナー

バーレッスンとは、バーという棒に手を添えて行う基礎練習です。
バーの準備は全員で
可動式のバーの場合、バーレッスンの前後にバーと支柱を運び、組み立てて準備をします。
バーも支柱もとても重いため、協力しないと安全に運ぶことができません。
また、落として脚に当たるとケガをしてしまう可能性もあるため、注意が必要ですよ。
組み立ては最初は少し難しいかもしれませんが、すぐに慣れるので、周りの人の様子を見ながらトライしてみるのがおすすめです。
全員で協力して準備をすることで、レッスンのロスタイムも短くなります。
バーの準備には積極的に参加するようにしましょう。
バーの立ち位置に気をつける
バーの立ち位置を先生が指示するクラスもありますが、指示がない場合は、常連の生徒がいつも同じバーの位置につくことが多いです。
初めて参加するクラスでは、バーにつく時に「ここ入ってもよろしいですか?」と周りの人に一言声をかけると安心ですよ。
決まった人がいる場所だった場合、「そこはいつも来る人がいますよ。」と教えてもらえることもあります。
また、振りや順番を覚える自信がない場合は、バーの先頭ではなく間に入れてもらえると、前の人の動きを見ながら動けるので安心です。
バーの立ち位置は、そのクラスの様子を見ながら、臨機応変に対応していきましょう。
バーにタオルをかけない
バーレッスンでは、方向転換や場所移動もあるので、バーを持ち替えた先にオルがあると邪魔になってしまいます。
また、汗を拭いたタオルをバーにかけるのは衛生面からみても好ましくありません。
| タオルの置き場所の例 |
|---|
| 持ってきた水筒やペットボトルにかける |
| 持ちこんだ小さなバッグや巾着の上に置く |
レッスンの参加者全員が気持ちよくレッスンを受けられるよう、持ち物の置き場所にも気を配りましょう。
反対側に回るときはバーの方から回る

バーレッスンは、左手でバーを持った方向からスタートし、次に同じことを右手でバーを持った方向で行い、左右均等に練習します。
逆側のバーレッスンのために方向転換するときは、全員がバー側から回ることでトラブルを防げますよ。
狭いスペースでバーレッスンを行っている場合、参加者がバラバラな方向で向きを変えたり、バーに背を向けて回ると次のようなトラブルが起きることがあります。
- 手を振り回したような動きになり、後ろの人に手が当たってしまう
- バーを背にして回ると、バーから手を離して後ろ回りになるのでバランスを崩しやすい
- 後ろの人と肩がぶつかってしまう
- 音楽が無い合間の時間とはいえ、バラバラな動きでクラスの統一感が失われてしまう
このような理由から、逆側のバーに方向転換する時にはバレエ独特のルールがあります。
方向転換をする時は、バーの方を向いて回転する⇒バーに背を向けない
| 良い例(バーの方から回る) | 悪い例(バーを背にして回る) | |
|---|---|---|
| 左手バー⇒右手バー | 反時計回り | 時計回り |
| 右手バー⇒左手バー | 時計回り | 反時計回り |
先生によってはここまで指導しない場合もありますが、知っておくと美しいバレエのマナーの一つです。
初心者のうちから、反対側に回る時はバーの方から回る習慣を身につけておきましょう。
大人バレエのセンターレッスン中のマナー

センターレッスンとは、スタジオの中央でバーに頼らず動く練習のことです。
順番がきたらすみやかに位置につく
センターレッスンでも先生が位置やグループを指定する場合がありますが、指示がない場合は自分で位置につく必要があります。
順番がきたら素早く位置につくことが、スムーズなレッスン進行につながりますよ。
譲り合ったり、遠慮してなかなか出なかったりする時間が長いと、迷惑行為になってしまうこともあります。
- 振りを覚える自信がない場合は、2列目か2グループ目以降に入る。
- 一度位置についたら、その後のレッスンも同じ位置で行う。
- 全員が正面の鏡を見られるように並ぶ。
これらのことに気をつけて、順番がきたらパッと位置につけるようにしましょう。
出来なくても立ち止まらない
初心者のうちは、振りが分からず動きが止まってしまうことがありますよね。
その場で行う動きの場合は問題ありませんが、移動を伴う動きで止まってしまうと、周りの人の邪魔になってしまったり、ぶつかってしまう可能性があります。
特に、スタジオを斜めに使って大きく移動するレッスンでは、一人が止まってしまうと危険です。
| 立ち止まってしまう | 立ち止まらず周りと一緒に動ける |
|---|---|
| 周りの人とぶつかってケガの危険がある | 周りとぶつからない |
| 後半グループの後列や 一番最後にやるよう指示される | 前半グループや前列でもできるようになる |
振りをすべて覚えられなくても、前後左右の動く方向だけでもがんばって覚えましょう。
はけるときは横方向へ

自分の番が終わり端に移動することを、舞台用語で「はける」と言います。
人数の多いクラスのセンターレッスンでは、いくつかのグループに分かれて順番に動きます。
自分の番が終わりはける時にもルールがあり、後ろから次のグループが出てくるため、後ろにはけるのはNGですよ。
| 移動しない振りだった場合 | 移動する振りだった場合 |
|---|---|
| 左右どちらかの近い方にはける | 移動していた方向にそのままはける |
迷ったときは、左右どちらかの近い方に移動すればOKです。
センターレッスンは移動が多いため、ぶつかる危険がないよう正しい方向にはけることを意識しましょう。
よくある質問
- Q大人バレエを始めたばかりですが、気をつけるべきことが多くて先生や周りに迷惑をかけていないか心配です。まず一番に気をつけるべきことは何ですか?
- A
始めたばかりは、周りと同じようにできなくて当然ですよ。
一番気をつけるべきことは、自分も周りもケガをしない事です。
動く方向などが分からなくても、ぶつからないように周りをよく見ることを心がけましょう。
- Q大人バレエの暗黙のルールを破ってしまった時はどうしたらよいですか?
- A
暗黙のルールは教室や先生が明言していない場合もあり、初心者のうちは最初からできないことが多いです。次回からルールを守れるように気をつければ問題ないですよ。
先生や周りの人から注意されてしまった場合は、その場で謝罪すれば大丈夫です。
万が一、ぶつかってしまったりした時は、翌週のレッスンで改めて「先週はすみませんでした。大丈夫でしたか?」などと声をかけてもよいでしょう。
こちらの記事にも、知っておいた方がよいマナーや、安全にレッスンに参加できる位置についても書いているので、あわせて読んでみてくださいね。
- Qレッスン中の水分補給のタイミングはいつがよいですか?
- A
子どもクラスでは水を飲む時間を決めている教室もありますが、大人クラスではほとんどの教室で自由となっています。
水分補給も入室のタイミングと同じで、音楽が止まったとき、動きが止まったときが好ましいタイミングとなります。
- Q休憩中はおしゃべりをしても大丈夫ですか?
- A
休憩中のおしゃべりはお教室のルールに則りましょう。
周りの人たちがおしゃべりしている場合は、クラスメートとコミュニケーションを取るのもよいですね。
一方で、休憩時間をストレッチにあてている人もいるため、声のトーンには気を配るようにしましょう。
- Q外部のワークショップに参加する時に気をつけることはありますか?
- A
外部のワークショップは、色々なところから集まった人と一緒にレッスンを受ける貴重な機会ですね。
初対面の人が多い場所こそ挨拶が大事です。
更衣室に入るときに「失礼します。」、スタジオに入るときは「おはようございます。」と挨拶できると好印象です。
また、全員が先生を見れるように立ち位置に配慮しましょう。
外部の先生のレッスンを受けるのはグッと上達するチャンスなので、先生の指導を集中して聞いて、多くのことを学びましょうね。
まとめ
ここまで、大人バレエ独特の暗黙のルールについてまとめてきました。
知らないと戸惑ってしまうルールや、初心者には難しく感じるものもあったのではないでしょうか。
すぐにはできなかったとしても、知っていればレッスンを続けるうちに少しずつ身についていきますよ。
そして、暗黙のルールを意識して行動できることは、バレエ上達の近道でもあります。
ここで知ったことを、ぜひこれからのレッスンで実践してみてくださいね。

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